中央大学は2024年12月23日、学内におけるDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進の一環として、新たに教職員の「パートナーシップ制度」を制定した。この制度は、事実婚や同性パートナーなど、婚姻関係と同様の事情・状態にある相手との関係を、婚姻の届出をしたものに相当する関係とみなし、賃金や福祉制度などの諸制度を適用するもの。2025年1月1日から施行される。
中央大学は2017年10月にダイバーシティ宣言を策定し、ダイバーシティセンターを設置している。これにより、大学構成員をはじめ、あらゆる人々の人権を尊重し、差別が生じない環境を整備することを目指してきた。「中央大学パートナーシップ制度に関する規程」は、こうした環境整備の一環として、教職員を対象にしたものである。
この制度により、婚姻の届出の有無やパートナーの性別にかかわらず、事実上、婚姻関係と同様の事情・状態にある相手との関係について、学内において婚姻の届出をしたものに相当する関係とみなすことができる。互いを人生のパートナーとすることを多様な形で約した教職員を尊重する制度として位置づけられている。
具体的には、賃金における家族手当や賞与、大学年金一時金、福祉制度(遺児育英、医療保障、介護費用補助、ハウスキーパー費用補助、ベビーシッター費用補助、育児支援サービス利用補助、託児室)、慶弔などが適用される。
中央大学の大村雅彦理事長と河合久学長は、この制度を通じて、多様な背景をもつ人々が共に働き、ひとりひとりがその能力を最大限に発揮できる職場環境を整えることを目指している。また、学生・生徒が安心して学び、のびやかに成長できるキャンパスをつくることを目指していると述べている。
このように、中央大学は多様性を尊重し、すべての教職員が安心して働ける環境を整えるための取組みを進めている。今後の制度運用を通じて、さらなる多様性の尊重と包摂的な環境の実現が期待される。