経団連と国公私立大学の代表者で構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(以下、産学協議会)は2022年9月15日、産学で連携しながら進める「新たなインターンシップを核としたキャリア形成支援の4類型の推進」に向けたメッセージおよび解説動画を公開した。
現状、日本国内では「インターンシップ」という名のもとにさまざまな目的・形態・期間等のプログラムが実施され、業務をまったく体験しない短期プログラムに多くの学生が参加し学業が疎かにされているとの指摘や、国際的に行われているインターンシップと大きく乖離しているという課題がある。
これらの課題に大学および企業関係者からなる産学が共同で取り組むべく、産学協議会は2021年度報告書において「学生のキャリア形成支援における産学協働の取組み」として4つの類型を提示。インターンシップを軸とした学生のキャリア形成支援活動について、「タイプ1:オープン・カンパニー」「タイプ2:キャリア教育」「タイプ3:汎用性能力・専門活用型インターンシップ」「タイプ4:高度専門型インターンシップ」の4類型を推進するよう、周知活動等に取り組んでいる。
6月には、十倉経団連会長のメッセージ動画と4類型の基本的な考え方やタイプ別の特徴等について解説した動画を公開。8月末にはリーフレットを作成し、産学協議会のWebサイトに公開した。
今回は、改めて大学・企業関係者に、インターンシップを軸とした学生のキャリア形成支援活動について産学合意に至った背景や課題認識等も含めて理解を深めてもらうことを目的に、日本私立大学団体連合会会長/日本私立大学連盟会長/早稲田大学総長の田中愛治氏によるメッセージと、日立製作所前人財統括本部人事勤労本部長・山本夏樹氏によるメッセージを公開した。
加えて、職場における実務体験を必ず実施することを要件とする「新たなインターンシップ=タイプ3」の積極的な実施に向けたプログラムの見直し・再設計等に着手できるよう、解説動画の第2弾(Ver.2)を公開。先に公開したリーフレットに基づいて、おもに4類型を定めた背景や目指す趣旨について解説している。
メッセージおよび解説動画は「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」のWebサイトから視聴可能。経団連は各企業に実施の検討・協力を呼びかけている他、日本私立大学協会が各大学の就職・キャリア支援において広く理解を深め、学生や企業への説明の際に活用するよう呼びかけている。