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コロナ禍の学生交流、24大学の取組事例集を公表

 日本学生支援機構は2022年8月26日、「コロナ禍における学生同士の交流に関する取組事例集」を公表した。オンラインのクラス長会や新入生サポート等、コロナ禍の制約下で学生の交流を促進する24校25件の事例を選定し、取りまとめている。

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 日本学生支援機構は2022年8月26日、「コロナ禍における学生同士の交流に関する取組事例集」を公表した。オンラインのクラス長会や新入生サポート等、コロナ禍の制約下で学生の交流を促進する24校25件の事例を選定し、取りまとめている。

 感染拡大防止を目的としたキャンパスの入構制限、授業のオンライン化、課外活動の制限、各種イベントの延期・中止等の措置により、学生間の交流や人間関係・ネットワークの構築が進みにくい状況が発生。学生生活への適応や学生のメンタルヘルスにも大きな影響を与えている。

 日本学生支援機構は、コロナ禍の制約下、学生間のコミュニケーションを促進し、不安や悩みの解消に資する活動を行う大学等の取組みについて情報を収集。2021年度に実施した「大学等における学生支援の取組み状況に関する調査」の回答の中から、学生間の交流促進に有益と考えられる取組みを選定し、今後の参考となるよう、事例集として取りまとめた。

 事例集には、学生間の交流や活動の場を確保する「さまざまな交流機会の創出」7校、学生が学生を支援する「ピア・サポートの活用」8校、入国制限で来日できない留学生との交流を中心とした「コロナ禍における留学生交流」9校、計24校25件の事例を掲載している。

 たとえば、さまざまな交流機会の創出にかかる取組みとして、名古屋大学は40名前後のクラス単位による交流を活性化しようと、学部1・2年生のクラス長と副クラス長が参加する「クラス長会」を実施。明治大学は、コロナ2年目の1・2年生のキャンパスライフ適応をサポートするため、「和泉キャンパス周辺を散歩する会」を開き、学部や学年を越えて学生が直接交流する機会を設けた。

 ピア・サポートの活用にかかる取組みでは、広島大学は新入生が不安を抱えやすい入学前後や夏休み明けの時期にあわせて、アクセスしやすいオンライン相談会を実施。法政大学は、コロナ禍以前から毎年4月に実施している「新入生サポート」を2020年度はオンライン、2021年度は対面とオンラインで継続した。

 コロナ禍における留学生交流にかかる取組みでは、茨城大学はコロナ禍でも日本人学生と留学生がオンライン上で交流できる「オンライン留学交流室」を常設し、定期イベントを開催。香川大学は、日本人学生と外国人留学生が毎週交代でプレゼンする「インターナショナルランチ」を行った。

 取組事例集は、日本学生支援機構WebサイトよりPDF形式で公開している。また、今後も大学・短期大学・高等専門学校がコロナ禍への対応として行った「学生間の交流を促進する取組み」に関する情報を募集し、広く取組みを紹介していく。


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《奥山直美》

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