ゲーミフィケーション事業を展開するセガ エックスディーは、2022年より組織したゲーミフィケーションカオスマップ編集委員会を通じて、国内ゲーミフィケーション市場規模調査を実施し、結果を発表した。
この調査によると、2024年の提供事業者市場規模は463億円、活用事業者市場規模は1,600億円と推定され、2030年にはそれぞれ1,915億円、6,619億円に達すると予測されている。なお、2024年の世界市場は約3兆2,000億円であり、日本市場はその約5.0%に相当する。
同調査は、ゲーミフィケーションを活用したサービスや商品を提供する事業者と、それらを活用する事業者の市場規模を試算するものである。調査は2025年2月から6月にかけて行われ、2024年に作成された国内ゲーミフィケーション業界カオスマップに掲載された企業・団体216社を対象にアンケートを実施した。
ゲーミフィケーションの概念は2011年ごろに欧米を中心に広まり、日本でも注目されてきた。2020年以降、DXや顧客体験の重要性が増す中で、その有用性が再認識されている。世界市場では2024年に220億1,000万米ドル(約3兆2,000億円)に達すると推定されており、日本国内でも市場規模の算定が行われた。
調査結果によると、ゲーミフィケーションは教育、企業研修、防災、地域づくり、福祉など多様な分野での活用が進んでいる。特に教育・研修分野では、学習意欲や参加者の主体性を高める手法として導入が進んでおり、スコア化や報酬付与、アバター、ストーリーの導入、シミュレーションを通じた体験がよく使用されている。
今後の課題としては、「ゲーム=娯楽」という先入観や導入・運用の手間、効果測定の難しさ、属人的な運用があげられている。これらの課題を克服しつつ、ゲーミフィケーションのさらなる普及と発展が期待されている。
ゲーミフィケーション市場把握委員会は、今後もゲーミフィケーション市場の実態を継続的に把握・共有していくことを目的に、市場規模調査・カオスマップ作成を実施・検討していくという。