文部科学省は2024年12月24日、国際卓越研究大学の認定に向けた第2期公募を開始すると発表した。これは、大学ファンドを通じて世界最高水準の研究大学を実現するための取組みであり、研究力向上を目指す大学に対して助成を行う制度である。公募説明会は2025年1月10日にWebで実施される予定で、参加希望の大学は事前に登録が必要となる。また同日、文部科学大臣は東北大学の国際卓越研究大学研究等体制強化計画を認可した。
この制度の背景には、諸外国のトップレベルの研究大学が豊富な資金を背景に研究力を高めている一方で、日本の大学が研究論文の質・量ともに低調な状況にあることがある。諸外国では公的な財政支援や民間企業との連携、寄附、資産運用など多様な財源を活用し、研究環境を充実させている。これにより、世界トップクラスの研究人材を招聘し、新たな研究人材や民間企業からの投資、寄附を呼び込む好循環が形成されている。
日本においても、大学の機能拡張を推進する中で、国際的な切磋琢磨を通じて研究力を向上させることが求められている。世界トップクラスの研究者の獲得や次代を担う若手研究者の育成、研究者の負担軽減、大学の知的資源の価値化などが重要な課題となっている。
このため、国際的に卓越した研究の展開や経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が見込まれる大学を国際卓越研究大学として認定し、大学ファンドによる助成を実施することが決定された。助成を受けるためには、大学が作成する国際卓越研究大学研究等体制強化計画に基づく申請が必要である。
公募のスケジュールは、2024年12月24日に公募開始、2025年1月10日に公募説明会が行われる。公募締切は2025年5月16日午後3時、その後、段階的審査が行われる。審査は夏から冬にかけて段階的に絞り込みが行われ、大学側との丁寧な対話を通じて進められる。認定された大学には、2025年度中に助成が開始される見込み。なお、公募期間が初回公募より長く設定されるなど、おもな変更点が文部科学省のWebサイトに掲載されている。
公募説明会はWebで行われ、参加希望の大学は2025年1月8日までに登録が必要。説明会に出席しない場合でも応募はできる。また、質疑応答はSlackを使用して行われ、参加希望の大学はメールアドレスを登録する必要がある。匿名での質問も可能だが、参加者一覧にメールアドレスが表示されるため注意が必要だ。
また同日、国際卓越研究大学の第1号認定校である東北大学の研究等体制強化計画について、文部科学大臣が認可した。これにより、東北大学は2025年度に約154億円の助成を受ける予定である。