近畿大学とNTTグループ3社(日本電信電話、NTTデータ、NTTプレシジョンメディシン)は、2024年8月30日にパートナーシップ協定を締結した。双方の知見と技術を生かした学際的連携基盤「総合知包括的融合研究拠点」を構築し、人と街のwell-being向上、健康寿命の延伸を目指した取組みを進める。
近畿大学は、近畿大学医学部キャンパス・近畿大学病院を2025年11月に大阪狭山市から堺市へ移転・新設するプロジェクトを進行。臨床医学領域の研究力強化に加え、地域医療機関や他都道府県の医療機関、アジアの医療機関との連携を目的とした拠点構築を目指している。
一方、NTTグループはNTTグループメディカル・ヘルスケア事業ビジョンに基づき、医療データや健康データを活用した個別最適なサービス、プレシジョンメディシンサービスを提供することで、well-being社会の実現を目指している。今回、双方の考え方や取組みに共感した近畿大学とNTTグループ3社は、パートナーシップ協定を締結。「総合知包括的融合研究拠点」を構築・活用することで、人と街のwell-beingの向上、健康寿命の延伸に取り組む。
総合知包括的融合研究拠点では、近畿大学の所在地域から収集する医療データと健康データを統合し、臨床医学的なアプローチだけでなく、人文科学をはじめとした多様な学問アプローチの両面から、相乗的に融合・深化させた総合知(メタ総合知)を用いて解析を実施。地域住民や患者に対しては、より適切な医療の提供や個人の医療データ、健康データ、生活データを活用した個別化サービスの提供といった効果が期待できるという。
また、医療機関・アカデミアに対する効果としては、個人の遺伝的な特性や生活スタイル・習慣に応じた最適な医薬品・治療方法等の予測支援、臨床所見と健康データの高度解析による発症リスクの予測と疾患の早期発見・予防、多角的なwell-being研究の活性化などを想定。医療・健康データの活用による政策立案の高品質化、新商品・新サービス等の発案・立案、承認前治療薬の臨床上の効果や副作用の検証を補完すること(治験の支援)による承認の早期化など、公的機関・民間企業に対する効果にも期待が寄せられる。
取組みを進めるうえで、近畿大学は臨床医学的知見や多様な学問分野の知見の提供、医療データ、健康データ、生活データの収集、解析、提供、地域連携の推進を担う。NTTは、生体センシング技術を活用した非侵襲的な患者データの収集技術を提供。NTTデータは医療情報プラットフォーム、健康管理クラウドサービスなどを提供。NTTプレシジョンメディシンは、医療データをセキュアに流通・検索・分析・活用可能な検索・サンドボックス環境の提供による製薬企業とのデータドリブンな次世代医療の支援を行う。