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「推し」「盛る」など新語が浸透…国語世論調査

 アルファベットの略語について8割を超える人が「意味がわからず困る」と感じていることが2023年9月29日、文化庁の2022年度国語に関する世論調査結果より明らかになった。新語のうち「異様だと感じてあきれる」といった意味で使用する「引く」の使用率は7割以上にのぼった。

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「引く」「推し」「盛る」「寒い」「詰んだ」の5つ言葉の使用
  • 「引く」「推し」「盛る」「寒い」「詰んだ」の5つ言葉の使用
  • 言葉の使い方に対する意識
  • どのように気をつかっているか
  • 言葉の意味や使い方などがわからないとき、調べたり確かめたりするか
  • どのように調べたり確かめたりしているか
  • 言葉遣いに大きな影響を与えると思う情報媒体
  • 日本語を大切にしているか
  • アルファベットの略語の意味がわからず困ることがあるか

 アルファベットの略語について8割を超える人が「意味がわからず困る」と感じていることが2023年9月29日、文化庁の2022年度国語に関する世論調査結果より明らかになった。新語のうち「異様だと感じてあきれる」といった意味で使用する「引く」の使用率は7割以上にのぼった。

 「国語に関する世論調査」は、現在の社会状況の変化にともなう日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起する目的で実施している。2022年度は、2023年1月16日~3月15日に調査を行い、全国16歳以上の個人3,579人から有効回答を得た。

 言葉遣いに大きな影響を与えると思う情報媒体は、「テレビ」88.5%がもっとも高く、「スマートフォン・携帯電話」69.2%、「新聞」36.2%が続いた。

 言葉の使い方については、普段どの程度気を使っているかを尋ねた設問で、80.4%が「気を使っている(計)」と回答。年齢別でみると、「16~19歳」と「70歳以上」では、ほかの年齢層より「気を使っていない」割合が多いことがわかった。

 どのように気を使っているかを尋ねた設問では、「あらたまった場で、ふさわしい言葉遣いをする」82.9%がもっとも多く、ついで「敬語を適切に使う」69.8%、「差別や嫌がらせ(ハラスメント)と受け取られかねない発言をしない」62.7%となった。また、「70歳以上」では「あらたまった場で、ふさわしい言葉遣いをする」割合は、ほかの年齢層より低かった。

 言葉の意味や使い方などがわからないときは、8割以上が「確認する」と回答。このうち63.2%がインターネットの検索サイトなどで検索していることが明らかとなった。インターネットの検索利用は、年齢があがるほど割合は少なくなる一方、「辞書ソフト・辞書アプリ利用」は、50代、60代が4割台後半から約5割と、ほかの年齢層より高くなっていた。

 「日本語を大切にしているか」を尋ねた設問では、「大切にしている(計)」が62.2%、「大切にしていない(計)」は6.9%にとどまった。 大切にしている理由については、「日本語によってものを感じたり考えたりしていると思うから」が最多で半数以上を占めた。

 新しい言葉、「引く」「推し」「盛る」「寒い」「詰んだ」の5つ言葉の使用についても調査。使用率は、「異様だと感じてあきれる」といった意味で使用する「引く」が70.7%でもっとも多く、「盛る」53.3%、「寒い」50.2%、「推し」49.8%、「詰んだ」30.5%と続いた。

 ローマ字表記については、85.1%がアルファベットの略語の意味がわからず困ることがあると回答。このうち、94.2%が、その理由として「意味がわかりにくいから」と答えている。一方、ローマ字表記を知っていることは、「パソコンなどで日本語をローマ字入力するのに役立つ」71.1%、「外国人など日本語を母語としない人向けに、情報を伝えることができる」25.2%など利点もあがった。

《川端珠紀》

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