ヤマハは、フライブルク音楽大学(ドイツ)の入学試験に協力。自動演奏機能付きピアノ「Disklavier(ディスクラビア)」を活用し、国際間をインターネットで接続して、遠隔地からでもピアノ演奏の実技試験を受けることができる「リモート入試」をサポートした。 フライブルク音楽大学が例年6月に行う入学試験には、世界各地から受験者が訪れ器楽演奏などの実技を含む試験に挑んでいる。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外国人が現地で受験することが難しくなっていることから、ヤマハが提供する楽器・技術を活用して、遠隔地からでもピアノ演奏の実技試験が可能になる「リモート入学試験」を初めて導入した。 2020年6月10日(日本時間)に実施されたリモート入試では、僅かなタッチの違いや繊細なペダル操作を極めて精確に再現することができる「Disklavier」の自動演奏機能とネットワーク接続機能を活用し、日本で2名、中国で1名が遠隔地からの受験に参加。遠隔地に設置した「Disklavier」をインターネット経由で接続することで、それぞれの「Disklavier」で演奏したデータを互いに送受信し、離れた場所にあるピアノで正確かつほぼリアルタイムに再現することができる。 今回の実技試験は、日本と中国での受験者による演奏を、フライブルク音楽大学に設置したピアノで忠実に再現し、それを試験官が評価する方法で実施。「Disklavier」を活用して生中継で国際間の“リモート入試”を行うのは今回が初めてとなる。 フライブルク音楽大学のクリストフ・ジシュカ教授は、「フライブルクのピアノの鍵盤の動きは上海や東京からのビデオと完全に一致し、10,000キロメートルの距離があるにも関わらず、まるで講堂で直接演奏されているかのように誰もが感じました」とコメント。受験生からも、「普段と変わらない感覚で弾けて、自分らしい演奏ができました」「これからの時代、海外の入学試験やコンクールの手段の一つとして『Disklavier』を利用したオンライン審査があれば、もっとグローバル化できるのではという可能性を感じました」などの声が寄せられた。