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文科省、学校のバリアフリー促進に向けた取組事例集を公開

 文部科学省は2022年6月10日、バリアフリー法の改正等を踏まえ、学校のバリアフリー化が着実かつ迅速に推進されることを目的として、事例集を取りまとめWebサイトで公開した。さいたま市等11自治体、計19施設の具体的な整備事例等を紹介している。

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 文部科学省は2022年6月10日、バリアフリー法の改正等を踏まえ、学校のバリアフリー化が着実かつ迅速に推進されることを目的として、事例集を取りまとめWebサイトで公開した。さいたま市等11自治体、計19施設の具体的な整備事例等を紹介している。

 近年では、障害、性別、国籍、経済上の理由等に関わらず、「共に育つ」ことを基本理念として、物理的・心理的なバリアフリー化を進め、インクルーシブな社会環境の整備が求められている。学校においても同様に、障害等の有無に関わらず、誰もが支障なく学校生活を送ることができるようインクルーシブ教育システムを構築し環境を整備していく必要がある。また、防災機能の強化という面においても、公立小中学校等の9割以上が災害時の避難所に指定されていることから、不特定多数の人が利用することを想定した整備が必要となっている。

 2020年5月にはバリアフリー法の一部が改正され、同年10月に同法施行令の一部が改正。一定規模以上の新築等を行う場合にバリアフリー基準への適合義務の対象となる特別特定建築物に、新たに公立小中学校等が位置付けられた。これにともない、2021年4月以降に新築等される床面積の合計2,000平方メートル以上の公立小中学校等についてはバリアフリー基準への適合が必要となり、既存の建築物についても努力義務が課せられている。また、改正法の附帯決議には、設置主体や規模に関わらず、すべての学校施設のバリアフリー整備を推進することや、既存の学校施設であっても、数値目標を示し、積極的に進めることが盛り込まれている。

 このような状況を踏まえ、文部科学省では2020年に「学校施設のバリアフリー化等の推進に関する調査研究協力者会議」を設置し検討するとともに、指針の改訂や2025年度末までに集中的に整備を行うための目標設定を行い、2021年度より、既存公立学校施設のバリアフリー化工事の国庫補助算定割合を3分の1から2分の1へ引き上げ、学校設置者による学校施設のバリアフリー化の取組みを積極的に支援してきた。

 今後も既存施設を含めた学校施設のバリアフリー化が着実かつ迅速に推進されるよう、今回、事例集を取りまとめWebサイトで公表した。事例集は概要・第1章・第2章・第3章の4つをPDFファイルとして公開している。第1章は学校施設バリアフリー化の考え方、第2章は個別事例、第3章は参考資料として、バリアフリー化に係る関係法令等を掲載した。

 第2章の個別事例では、さいたま市、宮城県石巻市、東京都豊島区等11自治体、小中学校等19施設の具体的な整備事例を掲載。新増改築・改修別で、昇降口や玄関、教室等の出入口、便所、エレベーター、階段、通路等の屋内施設と、駐車場や敷地内通路等の屋外について、施設ごとの個別設備を紹介し、関係者の参画と理解、合意形成の有無について掲載している。

 学校施設のバリアフリー化の加速に向けた取組事例集は、文部科学省Webサイトで閲覧できる。

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《川端珠紀》

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