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災害時の学校給食、実施体制構築へ向け事例集作成…文科省

 文部科学省は2021年3月31日、「災害時における学校給食実施体制の構築に関する事例集」を公表した。災害に備えた学校給食実施体制を整備している自治体は33.4%。事例集では、具体的な整備状況などをデータで示すとともに、11自治体の特徴的な取組みをまとめている。

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災害時における学校給食実施体制の構築について
  • 災害時における学校給食実施体制の構築について
  • 自治体の実際の取組事例~事例集より~
 文部科学省は2021年3月31日、「災害時における学校給食実施体制の構築に関する事例集」をWebサイトに公表した。災害に備えた学校給食実施体制を整備している自治体は33.4%。事例集では、具体的な整備状況などをデータで示すとともに、11自治体の特徴的な取組みをまとめている。

 地震や台風などの自然災害により、学校給食調理場が損壊するなど、各地で学校給食の実施が困難となる事態が発生している。被災後には、学校で平常日課を実施するうえで給食の提供が課題の1つになることが判明している。学校給食は、適切な栄養摂取による健康保持増進を図るとともに学校生活を豊かにし、被災した児童生徒が日常の学校生活を取り戻す一助になることから、文部科学省は各都道府県に今後の災害などの不測の事態に備え、学校給食再開までのバックアップ体制の構築を依頼している。

 「災害時における学校給食実施体制の構築に関する事例集」では、公立学校の設置者に対し、災害時における学校給食実施体制の構築などについて調査を実施し、データにまとめている。調査結果をもとに全国の先行事例も取りあげている。

 調査の対象は、学校給食を実施している公立学校の設置者1,813。回収率は77.6%。調査時期は、2020年11月26日~12月18日。

 調査結果によると、災害時に備えた学校給食の実施体制を整備している割合は33.4%。整備の内容をみると、施設の防災対策では「給食施設の耐震化」87.2%、「給食施設の防火設備」65.7%、バックアップ体制では「非常食の備蓄」50.5%が高かった。災害に備えた整備をしている自治体のうち、26%は「災害時のガイドライン・マニュアル策定」を実施していた。

 これまでに給食提供に影響がある被災経験が「ある」と回答したのは40.8%。被災時の給食提供への影響の程度では、「給食提供不可」が53.6%と半数以上を占めた。

 2012年以降に被災経験のある自治体を対象に「災害等に備えた学校給食実施体制の整備の有無」による被害状況や復旧までの期間の違いを分析したところ、施設以外についても災害に備えた整備対策をしている自治体で「給食提供不可」の割合が低かった。また、災害に備えた整備をしていた自治体では、1週間以内で復旧している割合が比較的高かった。

 災害に備えた学校給食実施体制が「うまく機能した」自治体に「構築していた体制の中で特に役に立ったもの」を尋ねた結果は、「非常食の備蓄」が42.4%で最多、「給食施設の耐震化」40.9%、「民間企業への協力要請・協定締結」15.2%と続いた。

 被災を経験し、事前にしておくとよかったと思う取組みでは、42.2%の自治体が「ガイドライン・マニュアルの策定」をあげた。「備蓄品・消耗品(ラップなど)の確保」39.3%、「施設設備の整備」23.6%なども高かった。

 事例集では、アンケートの回答の中から、被災時の対応の中で特に効果的な対応、うまくいった対応を抜粋して紹介。連携体制、食材提供・備蓄品、献立変更などの実例を伝えている。

 また、アンケート結果をもとに11自治体を抽出し、Zoomによるオンライン、または書面によるヒアリングを実施。東日本大震災の経験をもとに「学校再開ハンドブック」を作成している宮城県など、11自治体が実践する災害に備えた学校給食実施体制の整備事例を詳しく紹介している。
《奥山直美》

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