筑波大学と茨城県、NTTe-Sports、NTT東日本 茨城支店は2021年1月14日、スポーツ科学とICTの融合によるeスポーツの健全な発展と普及に資する研究開発や実証実験を行うことを目的とした産学官連携協定を締結した。 eスポーツ元年と言われる2018年以降、eスポーツはその遊戯性だけでなく、バリアフリー性や教育的効果に期待を集め、市場規模、プレーヤー数、視聴者数などが大きく伸長している。一方で、eスポーツのトッププレーヤーが日々の過酷なトレーニングのため早期に引退してしまうケースや、ゲームに熱中しすぎるあまり日常生活に支障が出てしまう「ゲーム障害」が新たな病気として国際疾病分類に加えられたりするなど、eスポーツの科学的研究が十分に進んでいないことから、その価値を十分に引き出せていないことが課題となっている。 筑波大学と茨城県、NTTe-Sports、NTT東日本 茨城支店は、eスポーツ界における課題を解決するため、脳科学、生理学、栄養学、睡眠学、哲学などのスポーツに関するあらゆる研究手法を駆使し、研究テーマに取り組んでいく。 プロジェクト推進のため、筑波大学スポーツイノベーション開発研究センター(SIRC)において、eスポーツの価値をスポーツ科学で探求する「eスポーツ科学」プロジェクトチームを設置。筑波大学が持つスポーツ科学の知見をもとに、「eスポーツのプレーや観戦がフィジカルスポーツのように人間の心身に有益な効果をもたらすか」「eスポーツのプレーヤーのパフォーマンスを高めるスポーツ栄養・休養戦略」などの研究を行う。 eスポーツ科学を通じて、eスポーツを「する」「みる」「ささえる」すべての人々に役立つ確かなエビデンスを構築し、それに基づく新たなサービスやプレースタイルを開発・普及することで、魅力的なサービス開発と健全なeスポーツ文化の創造を目指すとしている。 研究開発や実証実験の開始にあたり、取組みに賛同する企業、団体(機器メーカー、食品メーカー、パブリッシャー、プロチームなど)を募集している。筑波大学スポーツイノベーション開発研究センター、茨城県産業戦略部産業政策課、NTT東日本 茨城支店で問合せを受け付けている。