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教職員の親睦会「必要」65%…世代や校種による差

 教職員の親睦会について、School Voice Projectが全国の小学校から高等学校に勤務する教職員を対象に調査した結果、全体の65%が「必要だと思う・どちらかというと必要だと思う」と回答した。世代や校種によって意見が分かれた。

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教職員の親睦会「必要」65%…世代や校種による差
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 教職員の親睦会について、School Voice Projectが全国の小学校から高等学校に勤務する教職員を対象に調査した結果、全体の65%が「必要だと思う・どちらかというと必要だと思う」と回答した。世代や校種によって意見が分かれた。

 調査は2024年8月23日から10月7日にかけて、全国の小学校から高等学校に勤務する教職員を対象に、親睦会の必要性についてのアンケートが実施された。調査はインターネットを通じて行われ、104件の回答が集まった。

 親睦会は職員同士の相互理解を深める貴重な機会とされるが、勤務時間外に行われることが多く、参加を断りづらい雰囲気があることも指摘されている。特にベテラン層と若手層の間で意見の食い違いが見られる学校もあるという。アンケート結果によると、40代の教職員の65%が「必要だと思う・どちらかというと必要だと思う」と回答し、30代以下でも肯定的な意見が多かった。一方、50代では否定的意見が過半数を占めた。

 校種別に見ると、小学校では17%の回答者が「必要だと思う」と答えたのに対し、中学校では10%、高等学校では0%と、校種によるばらつきも見られた。肯定的な意見の理由としては、「コミュニケーションを深めるための時間が必要」「勤務時間内では十分な対話が難しい」といった声があがった。

 一方で、否定的な意見としては、「勤務時間内に適切なコミュニケーションを図るべき」「飲み会に代わる交流機会が必要」といった意見が見られた。また、会計面での負担や不平等感を指摘する声もあった。

 アンケートの結果からは、親睦会そのものよりも、強制的な参加を促す雰囲気や、勤務時間外での実施を問題視する声が多く上がった。業務の多忙化と働き方改革が進む中で、職場での対話を生む余白が減少している現状もうかがえる。一方で、何気ない交流や対話の大切さは、多くの人がその価値を認めていることもわかった。

 親睦会の在り方については、世代や立場の違いによる感覚のズレを分断につなげるのではなく、何気ない交流や対話による相互理解を経て、お互いの尊重につなげていくことが求められている。現状に余裕を生むのは難しい面もあるが、アンケートの声や交流の実例を参考に、より良い職場環境を目指すことが重要だ。

《佐藤愛》

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