1人1台端末がもたらす変化
GIGAスクール構想によって学校の仕組みに変化が生じています。学習の取組み方だけでなく、日々の学校生活のあり方にも変化が生じています。
GIGAスクール構想による1人1台端末は、学校での学びを大きく変えています。これまで日本の学校で行われてきた授業方法は、明治初期に形作られ、長く取り組まれてきたものです。同一年齢の小集団による学級の編成、黒板・教科書・ノートを用い、教師が黒板の前に立ち一斉指導すること等です。基本的には100年以上もそういった形が維持されてきました。GIGAスクール構想により、そういったものに変化が生じています。
出席のあり方に変化
学びの方法だけでなく、出席のあり方にも変化を生じさせました。「コロナの感染防止」と「学びの保証」を両立させようと「オンライン授業」が取り組まれました。オンラインで授業が実施されたことにより、不登校の子供の学びに変化が生じ、対面での授業が再開された時に、登校するということにつながったケースもあったそうです。不登校の子供にとって、登校することだけが目的ではありませんが、登校したいと思っていた子供にとって、オンラインでの授業が何かのきっかけになることもあったのだと思います。
また、コロナの流行が収まらない中、感染が不安な子供(家庭)は、学校に通わないという選択肢を選ぶ場合もありました。不安を感じる子供(家庭)が学校に登校しない日に関しては、文科省から「出席停止・忌引き等の日数とすることも可能」という通達が出されました。また、2021年12月ごろから流行し始めた第6波では、子供の感染が急激に増えました。感染者や濃厚接触者とされる子供が増えたことで、学校に出席できない子供も増えました。そういった中でオンラインでの授業に出席している子供の扱いについてどのようにしていくのかということが問題となっています。現状では、先にも触れたように「出席停止・忌引き等の日数も可能」という少し曖昧な形になっています。今後はオンラインで受けた授業も出席と認められるような状況になっていくことと思われます。
このように学校における、出席、通学等の意味合いが変化している中、保護者から「時間割や当日の持ち物等の連絡事項を学校のホームページに掲載するか、メールで連絡してほしい」という相談が学校に寄せられることはあり得ることです。社会における多くのものがオンラインで対応することが可能になり、便利になりつつあります。前回、話題にした欠席の連絡をオンラインできるようにするということも同様ですが、学校のさまざまな仕組みも社会の変化と同様に変わっていくことが必要でしょう。学校におけるオンラインの活用法はすでに多くの事例が報告されています。それぞれの学校の実情に合ったものを取り入れていくと良いでしょう。
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