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大学の図書館資料、電子媒体21億円増…ジャーナル増加

 2022年度(令和4年度)の大学図書館資料費は718億円と、前年度(2021年度)より13億円増加したことが、文部科学省が2024年3月19日に発表した調査結果より明らかになった。特に、電子媒体は前年度より21億円増え、紙媒体を大きく上回っている。

教育行政 文部科学省
図書館資料費および図書館運営費の推移(国公私立大学別)
  • 図書館資料費および図書館運営費の推移(国公私立大学別)
  • 図書館資料費の内訳および推移
  • 電子ジャーナル経費と利用可能タイトル数の推移
  • 電子書籍経費と利用可能タイトル数の推移
  • オープンアクセスポリシーの策定状況(国公私立大学別)
  • 学内ネットワークの通信速度(国公私立大学別)
  • クラウドの運用状況(国公私立大学別)

 2022年度(令和4年度)の大学図書館資料費は718億円と、前年度(2021年度)より13億円増加したことが、文部科学省が2024年3月19日に発表した調査結果より明らかになった。特に、電子媒体は前年度より21億円増え、紙媒体を大きく上回っている。

 文部科学省は、国公私立大学の図書館やコンピュータ・ネットワーク環境の現状を明らかにし、その改善・充実への基礎資料とするため、2005年度(平成17年度)より学術情報基盤実態調査を毎年実施している。2023年度(令和5年度)は、国公私立大学計812大学を対象に実施し、回答率は100%。図書館経費、図書数等は2022年度末日、学内LAN等は2023年5月1日を調査基準日としている。

 2022年度の図書館資料費は718億円と、前年度より13億円(1.8%)増加。その内、紙媒体の資料(図書と雑誌の合計)に係る経費は、前年度比10億円(4.6%)減の221億円。電子媒体の資料(電子ジャーナルと電子書籍の合計)に係る経費は、前年度比21億円(5.9%)増の378億円となった。図書館運営費(人件費等を含めたもの)は746億円と、前年度より19億円(2.6%)減少している。

 電子媒体の中でも、電子書籍に係る経費は24億円と前年度より4億円(17.2%)減少。一方、電子ジャーナルに係る経費は354億円と前年度より25億円(7.9%)増加。大学図書館で閲覧可能な国外の出版社から購入した電子ジャーナルタイトル数は前年度比34万タイトル(22.9%)増、アグリゲータ(複数の出版社が刊行する電子ジャーナルをまとめて提供する仲介者)をはじめとする国外の出版社以外(その他国外)から購入した電子ジャーナルタイトル数は前年度比33万タイトル(7.7%)増と、着実に増加傾向にある。

 自大学の研究成果等のコンテンツについてオープンアクセスにすることを明文化した方針として示す「オープンアクセスポリシー」を策定している大学は、全体で171大学(21.1%)。国立大学がもっとも割合が高く44.2%が策定。ついで、私立大学は20.0%、公立大学は8.0%となった。

 学内ネットワーク(学内LAN)を有する812大学のうち、通信速度10Gbps以上の回線を整備している大学は365大学(44.9%)となり、前年度より13大学増加。対外接続を行っている812大学のうち、通信速度10Gbps以上の回線を整備している大学は334大学(41.1%)と、前年度より33大学増加した。

 調査結果の概要は文部科学省Webサイトに掲載。詳細をまとめた全文は、政府統計のポータルサイト「e-Stat」から見ることができる。

《畑山望》

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