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教科担任制、小学校3-4年生にも拡大へ…中教審が素案

 小学校の高学年(5・6年生)で導入している「教科担任制」について、中学年(3・4年生)にも拡大する見通しであることが2024年4月19日、中央教育審議会が公表した素案より明らかになった。学びの質の向上と教師の持ち授業時数の軽減の観点から、教科担任制を推進する必要があるとしている。

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 小学校の高学年(5・6年生)で導入している「教科担任制」について、中学年(3・4年生)にも拡大する見通しであることが2024年4月19日、中央教育審議会が公表した素案より明らかになった。学びの質の向上と教師の持ち授業時数の軽減の観点から、教科担任制を推進する必要があるとしている。

 質の高い教師の確保特別部会が4月19日、審議のまとめ「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について」(素案)を公表。学校の指導・運営体制の充実の中で、教科の指導が得意な教師による「専科指導」の充実や「教科担任制」の推進を盛り込んでいる。

 教科担任制とは、教員が専門の教科のみを担当し、指導にあたる制度。現在、全国の学校や教育委員会が、小学校高学年に教科担任制を導入している。文部科学省の調査によると、2022年度(令和4年度)の公立小学校6年生における教科担任制の実施状況は、算数15.9%、理科65.4%、体育21.7%、外国語48.9%。小学校では専科指導がここ数年拡大しており、その効果が教師の持ち授業時数の減少などにも表れているという。

 素案では、小学校中学年は生活科の学習が終わり、社会科、理科、外国語活動、総合的な学習の時間が始まるなど、より教科の特質に応じた学びにつなげていく時期で、指導事項も抽象的な内容に近づいていく時期だと説明。「高学年やその先の中学校との円滑な接続の観点からも、専門性のある教師が専科指導を行うことを通して、子供たちへの教育の質の向上を図っていく必要がある」「教科の指導が得意な教師による専科指導は、子供たちとって、それぞれの関心や個性に応じた得意分野を伸ばしていくことにも資するものであり、その充実が必要である」としている。

 さらに教師の持ち授業時数の軽減の観点からも「教科担任制」の推進を提言。国が定める年間の標準授業時数は、1年生850単位時間、2年生910単位時間、3年生980単位時間、4年生1,015単位時間。中学年の学級担任の持ち授業時数の軽減が必要であるとし、「子供たちへの学びの質の向上の観点と教師の持ち授業時数の軽減の観点から、教科担任制を推進し、専科指導のための教職員定数の改善を図る必要がある」と明記している。

《奥山直美》

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