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GIGA端末不足など、学校ICT環境に課題…教職員調査

 School Voice Projectは2024年3月26日、「GIGA端末更新に向けたICT環境」について教職員へのアンケート結果を発表した。学校現場においてICTの導入が進んでおり、活用を推進する先生の意欲も高い傾向にあるものの、GIGA端末の不足などさまざまな課題も多いことが明らかになった。

ICT機器 授業
GIGA端末更新に向けたICT環境アンケート
  • GIGA端末更新に向けたICT環境アンケート
  • 授業や校務のICT活用は推進されている?
  • 自身はICT活用を推進したい?
  • 次の課題は、現任校でどの程度あてはまる?
  • 次の課題は、現任校でどの程度あてはまる?

 School Voice Projectは2024年3月26日、「GIGA端末更新に向けたICT環境」について教職員へのアンケート結果を発表した。学校現場においてICTの導入が進んでおり、活用を推進する先生の意欲も高い傾向にあるものの、GIGA端末の不足などさまざまな課題も多いことが明らかになった。

 調査は2023年11月29日~2024年2月19日、全国の小学校から高等学校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員を対象に、インターネットにて実施した。回答数195件。

 授業や校務におけるICT活用については、小学校では86%が「強く推進されている」「推進されている」と回答。中学校は94%、高等学校は96%、その他(特別支援学校・中等教育学校)においては100%が「強く推進されている」「推進されている」と評価しており、全体的にICTの導入が進んでいることがわかった。

 アンケートに回答した先生自身について、ICT活用をどの程度推進したいか尋ねたところ、小学校39%、中学校36%、高等学校50%が「強く推進していきたい」と回答。ICTの積極的な導入に前向きな姿勢が見受けられた。

 しかし、課題について尋ねたところ、小学校で52%、中学校で66%が「生徒用のGIGA端末が足りない」と回答(「とてもそう思う」「そう思う」の合計)。「教職員用のGIGA端末」についても小学校で55%、中学校で49%、高等学校で50%、その他(特別支援学校・中等教育学校)で69%が足りないとした。

 具体的には、「年度当初など、新1年生端末の数がすぐにそろわない。故障者には代替えで対応するが、それも足りないときがある」(小学校)、「予備機は学年に1~2台足りないことがある。講師にあてがわれていることはほぼなく、使うときは子供のものを借りたりしている。事務職員にタブレットはない」(小学校)などの声が寄せられた。

 また、「校内でGIGA端末の通信速度が遅くなることがある」について、小学校で57%、中学校で55%、高等学校で54%、その他(特別支援学校・中等教育学校)で77%が「とてもそう思う」「そう思う」と回答。「文科省や市のアンケートを一斉に実施するのが困難」(中学校)、「複数のクラスが調べ物したり、全校でフォームスを使ったりすると一定数回線の影響でできなくなる。時差でやらせたり、再起動したりしてなんとかやった」(中学校)などの回答があった。

 「ルールにより使いたいアプリやWebサイトを使用できない」については、小学校で66%、中学校で49%、高等学校で54%、その他(特別支援学校・中等教育学校)で54%が「とてもそう思う」「そう思う」と回答。「歴史学習の検索で武器の写真がフィルターにかかって、検索ができずお手上げだった」(小学校)、「タイピングの練習等ができるアプリやサイトがあったとしても、ゲームとしてアクセス制限されることがある」(中学校)などの声があげられた。

 アンケート結果の詳細は、School Voice Projectが運営するWebメデイア「メガホン」で読むことができる。

《木村 薫》

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