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昭和大ら研究チーム、JAXAと宇宙医科学研究を開始

 昭和大学を中心とした、京都大学、岐阜大学、東京工業大学などの研究チームは2024年4月26日、JAXAとの共同研究により、重力や宇宙放射線が生命に与える影響を解明し医学に応用する「宇宙医科学研究」をスタートさせると発表した。人類が宇宙に進出する際の健康管理への貢献や、新しい生命原理の発見が期待される。

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茶谷昌宏准教授
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 昭和大学を中心とした、京都大学、岐阜大学、東京工業大学などの研究チームは2024年4月26日、JAXAとの共同研究により、重力や宇宙放射線が生命に与える影響を解明し医学に応用する「宇宙医科学研究」をスタートさせると発表した。人類が宇宙に進出する際の健康管理への貢献や、新しい生命原理の発見が期待される。

 2024年1月、岸田総理は施政方針演説において、アメリカ政府が出資する有人宇宙飛行計画・アルテミス計画について触れ、2020年代後半までに日本人初の月面着陸を目指すことを言及。今後、日本における宇宙研究・開発の飛躍的な進展が期待されている。

 宇宙空間では重力や宇宙放射線などが生物に影響を与えることから、宇宙医学の進展が欠かせない。今回、昭和大学の茶谷昌宏准教授らは、宇宙空間では骨量や筋肉量の減少などが起こり、これらの恒常性を維持するためには重力などの要素が重要だが、生体内で重力の変化をどのように感知し、どのように応答するのか、重力ストレス応答機構はほとんど理解されていないことに着目。

 模擬微小重力発生装置や加重力発生装置を使用し、マウスなどの生物に重力変動を与える実験を行うことで、生体の応答機構を分子レベルで明らかにすること、また将来的には宇宙ステーションでの実験につなげることを目指すといった、宇宙実験を1つのゴールとした新しい宇宙医科学研究テーマを提案。4月4日、JAXA宇宙科学研究所2024年度フロントローディング研究に採択された。これを受けて、昭和大学などの研究チームは、新しく宇宙医科学研究をスタートさせる。

 昭和大学の茶谷昌宏准教授は、「私たちは、宇宙を念頭におきながら生命科学研究と医学研究を融合させた研究チームを目指し、その想いから宇宙医科学研究という研究分野を構想しました。地球生命には、重力を感知し応答する重力センサーが必ず存在しています。これから迎える宇宙時代に貢献できる成果を一つでも多く出し、宇宙医科学研究を盛り上げていければと思います」とコメントした。

《木村 薫》

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