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【全国学力テスト】正答例・解説資料等を公開…生活調査は端末回答

 国立教育政策研究所は2024年4月18日、同日実施された2024年度(令和6年度)全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の調査問題・正答例・解説資料をWebサイトに公開した。解説資料は、調査結果が出る前の段階から児童生徒ひとりひとりに応じた指導の改善・充実が図られるよう、調査実施後すぐに活用できる形でまとめられている。

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令和6年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について
  • 令和6年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について
  • 令和6年度全国学力・学習状況調査の参加教育委員会数・参加学校数等について(令和6年4月8日時点)
  • 国立教育政策研究所

 国立教育政策研究所は2024年4月18日、同日実施された2024年度(令和6年度)全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の調査問題・正答例・解説資料をWebサイトに公開した。解説資料は、調査結果が出る前の段階から児童生徒ひとりひとりに応じた指導の改善・充実が図られるよう、調査実施後すぐに活用できる形でまとめられている。

 2024年度全国学力テストは、全国の小学6年生と中学3年生を対象に4月18日に行われた。実施教科は、小学校が国語と算数、中学校が国語と数学。中学校の英語は今回は実施されていない。文部科学省が4月8日時点で発表した参加校は、国公私立の小学校1万8,728校、中学校9,686校、計2万8,414校。国公立はほぼ全校が参加、私立の参加率は37.8%。参加者は小学6年生が約102万3,000人、中学3年生が約99万8,000人にのぼる。

 公開された資料は、「教科に関する調査」の調査問題、正答例および解説資料。出題範囲は、原則として調査対象の前学年までに含まれる学習内容とし、身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に影響を及ぼす内容や、実生活において不可欠かつ活用できるようになっていることが望ましい知識・技能について出題。さらに知識・技能を実生活のさまざまな場面に活用する力や、課題解決のための構想を立てて実践し評価・改善する力を問う問題が出題された。

 たとえば、小学校の国語では他校とオンラインで交流する場面を想定し、意図や目的に応じて情報を集め、どう伝えるかといった工夫について考える問題を出題。中学校の国語では、インターネット上で自分の好む情報が優先して表示され多様な意見から隔離されやすくなる「フィルターバブル現象」について話し合いをする場面を想定し、資料を用いて自分の考えを伝える、話し合いの話題や展開を捉えながら、他者の発言と結び付けて自分の考えをまとめることを求める問題が出題された。

 算数・数学では、桜の開花予想日や車型ロボットのプログラミングなどを用いて、日常生活の問題を解決するために、目的に応じて収集したデータを分類整理し、表やグラフを用いて、身の回りの事象について考察できるかどうかをみる問題が出題されている。

 「児童・生徒向けの質問調査」では、学習に対する興味・関心、授業内容の理解度、基本的生活習慣、家庭学習の状況などに関する調査を実施。今回は、原則すべての児童生徒を対象に、児童生徒の活用するICT端末を用いたオンラインによる回答方式(CBT方式)で実施した。

 なお、厳格な抽出により選ばれた一部の学校で行う経年変化分析調査では、従来の筆記形式(PBT)実施校とCBT実施校をそれぞれ同数で実施。全国学力テストの将来的なCBT方式での実施に向けた取組みも進めている。

 国立教育政策研究所のWebサイトでは、過年度の調査資料も公開。2024年度の結果については、全国の状況を分析後、文部科学省Webサイトなどで公表される。

《畑山望》

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