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多様性配慮、北海道立高校84.8%「制服の規定」見直し

 北海道教育委員会は2024年4月16日、2023年度(令和5年度)道立高等学校の制服に関する調査の結果を取りまとめ公表した。性的マイノリティへの配慮を理由に「男子スカート」「女子スラックス」の着用を認める学校が増加。84.8%が制服の規定を見直している(予定含む)。

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制服の指定など、男子のスカート着用・女子のスラックス着用
  • 制服の指定など、男子のスカート着用・女子のスラックス着用
  • 制服の規定の見直し

 北海道教育委員会は2024年4月16日、2023年度(令和5年度)道立高等学校の制服に関する調査の結果を取りまとめ公表した。性的マイノリティへの配慮を理由に「男子スカート」「女子スラックス」の着用を認める学校が増加。84.8%が制服の規定を見直している(予定含む)。

 2023年度の調査は、道立高校190校(中等教育学校1校含む)を対象に、制服に係る規定や着用の実態把握とともに、性的マイノリティへの配慮や、規定等の見直しを分析・検証することで、各校の実情に応じた適切な対応を図る目的で10月に実施。調査基準日は2023年4月1日。

 制服の指定があるのは190校中177校。このうち、24.8%(44校)が「男子のスカート着用」、91.0%(161校)が「女子スラックスの着用」を認めている。前年度(2022年度)の調査では、「男子のスカート着用」が8.9%(16校)、「女子スラックスの着用」が77.2%(139校)であり、大きく増加していることがわかった。

 性的マイノリティへの配慮を理由としている学校は、「男子のスカート着用」44校中43校、「女子スラックスの着用」161校中151校。前年と比較すると「男子のスカート着用」は28校増、「女子スラックスの着用」は30校増といずれも増加した。

 制服の規定を見直し済み・見直し予定と回答したのは、84.8%にあたる150校。予定がない27校では、女子16校・男子3校が「現行の規定で多様性に対応可能」、女子7校・男子17校が「生徒の実情に応じた個別対応」、女子4校・男子7校が「今後検討」と回答している。

 見直し(検討・予定を含む)の具体的な取組みは、「ジェンダーレス制服(性差を感じさせないデザイン)の導入」44.0%(54校)、「デザインの変更」40.8%(46校)、「女子スラックスの導入」28.0%(24校)、「男子スカートの導入」17.6%(21校)、「制服の種類の変更(セーラーからブレザーへの変更等)」14.4%(17校)、「制服の廃止」10.4%(10校)の順に多かった。

 性的マイノリティの生徒への配慮については、男子スカート・女子スラックスを導入していない学校を含め、すべての学校から「個別の相談や希望に応じ、対応する」との回答があったという。

《川端珠紀》

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