夏休みの宿題は教師が関わりにくい
夏休みも中盤に差し掛かりました。こういった時期には宿題に関する問い合わせが学校に入ることがあります。夏休みの宿題は色々なものがあります。夏休みの特性から普段の日々では取り組みにくい宿題であることが多いです。そういったものの1つが「自由研究」です。理科や社会等の教科でそれぞれの子供が自分でテーマを選び、取り組むものです。夏休みは比較的時間に余裕がある場合が多く、普段は取り組みにくい、大掛かりな実験、観察、調査等に取り組むことも可能です。
夏休みの宿題は、子供が実際に取り組む際に教師が関わりにくいものです。学校に登校していない期間に取り組むものだからです。そういったことから、夏休みに入る前に丁寧に説明をすることが大切になります。ただ、現在のように夏休みに入ってから、特に夏休みの中盤から終盤において、今回のテーマのような「夏休みの自由研究が進まない」等の問い合わせが入ることがあります。
まとめサイトを紹介する
学校(教師)が取り組めることとしては、色々な取組みがまとめられているWebサイト等を紹介すること等でしょう。残りの時間のこと等も考え、あまり手間が掛からずに取り組むことができるものを紹介しているサイトが特に良いでしょう。担任であれば、その子供がどういった分野に興味があるのかも把握できていることも多いです。そういったことをヒントとして、うまく取り組むことができそうなものを紹介することも良いでしょう。
また、学校全体で確認が取れるような場合は、理科室の器具を貸し出すということも良いでしょう。私が以前勤めていた小学校では、夏休みに入る前に夏休みの自由研究で使いたい道具を学校からレンタルができる取組みをしていました。取組みに苦労している子供に理科室や理科準備室の実験器具を見せ、必要な場合は貸し出すというやり方も良いでしょう。
一部のクレームが全体の意見ではない
ところで、家庭から学校への意見(クレーム)への対応に関して、気になることがあります。夏休みの宿題に関することだけはないですが、少数の反対意見(クレーム)があったことが理由でその取組みの方法を変更していく場合があります。そういったことはある部分で間違っているのではと私は思っています。少数の反対の意見を大切にする必要もあるのですが、大部分の賛成の意見も忘れずにいたいです。多くの場合、現状に対して肯定的な意見は表に出てくることは少ないです。少し極端な例ですが、全校児童・生徒が500人の学校において、1人の反対意見があったとします。残りの499人が賛成意見であったら、基本的には499人の賛成意見を大切にすべきでしょう。ただ、ほとんどの場合、499人の賛成意見は学校には伝えられてきません。そういったこともあり、少数の反対意見によって学校の取組みが変更されてしまうことがあります。特にその反対意見を言ってきた保護者が「声が大きく」「学校にあれこれとよく言ってくる」タイプの場合、学校としても過剰反応をしがちになります。こういった場合、学校としては冷静に対応し、一人ではなく複数で対応すること等が大切でしょう。
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