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旺文社「数理・DS・AI 教育」の高まりを分析

 旺文社教育情報センターは2022年4月26日、大学においての「数理・データサイエンス・AI教育」の高まりについて、どのような背景があるのか分析し、背景をまとめた。各大学の取組みについてもまとめている。

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数理・DS・AI 教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)の概要
  • 数理・DS・AI 教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)の概要
  • 2021(令和 3)年度 数理・データサイエンス・AI 教育プログラム(リテラシーレベル)認定校(一部)
  • 旺文社教育情報センター
 旺文社教育情報センターは2022年4月26日、大学においての「数理・データサイエンス・AI教育」の高まりについて、どのような背景があるのか分析し、背景をまとめた。各大学の取組みについてもまとめている。

 数理・データサイエンス(DS)・AI教育が盛んになっており、国による教育プログラムの認定制度も始まった。数理とは、さまざまな現象を数学的に扱う学問の一分野で、数式を用いて現象を表し、シミュレーションすることで最適化を図ること。データサイエンスの定義は、はっきりとは決まっていないが、「ビッグデータを使って課題を解決すること」や「ビッグデータから価値を生み出すこと」と説明される。AIとはArtificial Intelligenceの頭文字をとったもので、人工知能のこと。機械自らディープラーニングで学習し、進化するものもある。

 数理・DS・AI教育プログラム認定制度には、リテラシーレベルと応用基礎レベルがある。毎年、内閣府・文部科学省・経済産業省が協力して選定するもので、国の公募に対し大学が申請し、審査を経て認定される。大学は認定されることで国のお墨付きが与えられ、志願者の増加が期待される。また、企業から注目される効果もある。認定されたプログラムのうち、先導的で独自の工夫・特色があるものを「認定教育プログラムプラス」として選定する。認定の有効期限は5年間で、その後は再申請・再認定されると、それ以降は3年間有効となる。

 リテラシーレベルの制度運用は2021年度から始まり、最初に認定されたのは11校で、2021年6月30日に認定された。ついで2021年8月4日に67校を認定。これらの中から「プラス」として11校が選ばれた。

 数理・DS・AI教育プログラムの認定を目指すかどうかは別として、各大学でさまざまな取組みが見られる。データサイエンス学部という学部を日本で初めて開設したのは滋賀大学(2017年度)。その後、横浜市立大学(2018年度)、武蔵野大学(2019年度)、立正大学(2021年度)で開設された。現時点では、データサイエンス学部という名称の学部があるのはこの4大学のみだが、今後増加する見込み。

 また、DSを学べる学部として、学部の名称をデータサイエンスではなく「情報学部」として新設した大学もある。たとえば名古屋大学で2017年度に情報学部が開設され、近畿大学で2022年度に情報学部が開設された。他にも、学部・学科の改組で情報系の学問への取組みを前面に出してきた大学もある。学部を設置するのではなく、数理・DS・AI教育のカリキュラムを策定し、履修した学生に修了証を発行する大学も多い。修了証は就職活動での活用も想定されている。数理・DS・AI教育を推進する方法が確立されつつあると言えそうだ。

 Webサイトでは、2021年度の数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)認定校、数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)プラス認定校とプログラム名をあわせてまとめている。その他、数理・データサイエンス・AI教育に関するおもな大学(学士課程)の取組みの例も一覧にして掲載している。
《田中志実》

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